深呼吸をすると心が落ち着くという人も多いはずです。
では、なぜ深呼吸をすると落ち着くのでしょうか。
今回は、
- 深呼吸をすると、なぜ落ち着く?
- 深呼吸の効果的な方法
について解説していきます。
深呼吸をすると、なぜ落ち着く?
深呼吸をすると、なぜ心が落ち着くのでしょうか。
それは、深呼吸に自律神経を整える効果があるからです。
詳しく解説していきます。
自律神経は私達の意志とは関わりなく、身体機能を健全に保つために働いています。
胃や腸や心臓などが休みなく動いているのも自律神経が機能しているためです。
自律神経は交感神経と副交感神経という相反する働きをする二つの神経から成り立っています。
交感神経は活動・緊張・ストレスといった状態にある時、とくに昼間に優位になります。
一方、副交感神経は休息やリラックス状態にある時、とくに夜間や睡眠中に優位になります。
自律神経のコントロールは無意識のうちに行われていますが、交感神経と副交感神経のバランスが乱れ、どちらか一方だけが優位な状態が長く続くと、倦怠感や不眠、動悸や頭痛、不整脈、食欲低下といったさまざまな不調が生じます。
この自律神経の交感神経と副交感神経をバランスをとることが健康のカギといえます。
深呼吸には、自律神経を刺激し、副交感神経を優位にする効果があります。
深呼吸をすると、肺の下にある横隔膜が上下運動します。
この横隔膜に自律神経が密集しているため、副交感神経を優位にしてリラックスすることができるのです。
これが、心を落ち着かせることに繋がります。
ストレス社会に生きる私たちは、交感神経が優位になりがちです。
普段から意識的に深呼吸を行い、心身のリフレッシュを図りたいものです。
深呼吸の効果的な方法
どのように深呼吸を行えば心を落ち着かせることができるのでしょうか。
心を落ち着かせる、リラックスするのに効果的な呼吸法として、「腹式呼吸」があげられます。
ただ深く息を吸うだけではなく、「腹式呼吸」を意識することがリラックスのポイントです。
森林の中できれいな空気を胸いっぱい吸いたいとき、手を広げて深く息を吸いこみたくなりますよね。
しかし、これはリラックスする呼吸とはいえません。
そのような深呼吸は、「胸式呼吸」と呼ばれます。
胸の筋肉が大きく働いて肺を大きくすることで息を吸いこみますが、リラックス効果はありません。
リラックスするための呼吸で重要なのは、「腹式呼吸」なのです。
腹式呼吸法はひとことで言うと、下腹部を膨らませたりへこませたりして呼吸をする方法です。
決して難しい方法ではありません。
その方法を紹介します。
腹式呼吸の方法
- 身体の力を抜いたまま、おへその下あたり(丹田)に手をあて、長くゆっくりと息を吐きます。口をすぼめるようにして息を吐くと、時間をかけて息を吐くことができます。お腹の中の空気を全て吐き切るイメージをしましょう。
- 吐ききって下腹部が限界まで凹んだら、次は下腹部に空気を入れて膨らませるイメージで息を吸っていきます。このとき、できるだけ自然に鼻から空気を吸うのがポイントです。
- めいいっぱい息を吸いこんだら、3秒ほど少し息を止めて、再び息を吐いていきます。
以上を5~10分ほど繰り返し行います。
呼吸に合わせて身体の緊張がほぐれていくイメージを頭に浮かべながら行うことで、実際のリラックス効果も高まります。
東洋で古くから知られているヨガや気功、その他各種の武道において、腹式呼吸は重視されてきました。
深呼吸はなぜ落ち着く?そのメカニズムや効果的な方法を解説!まとめ
深呼吸をするとなぜ落ち着くのかということや、効果的な方法について解説しました。
深呼吸(特に、「腹式呼吸」)をすると、自律神経が整い、心が落ち着いたり、リラックスしたりします。
大きく息を吸うことより、ゆっくり長く息を吐くことを意識して、腹式呼吸することでリラックス効果を高めることができます。
ストレス社会に生きる私たちは、自律神経が乱れがちです。
深呼吸でリラックスする時間を作ってみてはいかがでしょうか?